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ぱわーずこうじえん【パワーズ麹苑】

@毎日の生活にも役立つ、かも知れないバイク用語辞典。A知識の発酵を促し旨味を引き出すことから麹と表す。B毎月一文字ずつ用語が増えていく。


今月の更新は…「な」!


 わ  ら  や  ま  は    た  さ  か  
 を  り  ゆ  み  ひ  に  ち  し  き  い
 ん  る  よ    ふ  ぬ  つ  す  く  う
   れ    め  へ  ね  て  せ  け  え
   ろ    も  ほ  の  と    こ  お



あいえむゆー 【IMU】 恋人同士が愛を確かめ合うときは「アイ・ラブ・ユー」、集中治療室は「ICU」、2018年は「INU」年である。
一方、近年の高性能二輪車に搭載されている電子制御デバイスの「IMU」とは、Inertial Measurement Unitという英語の略で、日本語に訳すと慣性計測装置。運動を司る3軸の角度または角速度と加速度を計測するセンサーのことを指す。この「IMU」で検出されたデータは、瞬時に演算フィードバックされ、トラクションコントロールやABS、電子制御サスペンションなどの各種制御に活用される。 現在、バイクの世界で主流となっている「IMU」は、車両の前後/左右/上下という3軸方向の加速度と、ピッチ/ロール/スズキIMUヨーという3軸方向の角速度を検出。このため「6軸IMU」と呼ばれることもある。
国内ブランドの二輪車では、ヤマハがいち早く2015年型のYZF-R1に標準装備。検出されたデータは32bitのCPUによって1秒間に125回の高速演算が繰り返され、バンク角の検出や後輪スライドの推定などを経て、多彩な電子制御システムに活用されている。また、スズキが2017年型として国内市場にも投入したGSX-R1000Rでは、「IMU」のデータを1秒間に250回の驚速で演算して、トラクションコントロールの介入をよりきめ細やかなものに仕上げてある。 2018年現在、「IMU」を搭載するのはリッタークラスのスーパースポーツが中心だが、カワサキが2017年型のニンジャ1000にも採用するなど、フラッグシップモデル以外への搭載も開始されはじめた。



あめりかん 【アメリカン】 英語では、「ジャパン(japan)」が漆器、「チャイナ(china)」が陶磁器を表すことがある。
日本のバイク市場における「アメリカン(American)」もこれと同じで、米国市場で生まれ育ったハーレー・ダビッドソン的な車種のことを、このように呼ぶことがある。基本的には、ゆったりとしたライディングポジションとロー&ロングスタイルの車体を持ち、多めに寝かされたフロントフォークを備えるモデルがこれに属す。
ただしこの「アメリカン」という呼び方は、海外ではあまり通用しない。少なくとも本場のアメリカでは、そのようなカテゴリーに属するバイクのことは「クルーザー(cruiser)」と呼ぶ。こちらは英語の「クルーズ(cruise)=巡行する・流す」が語源。以前と比べて日本でもかなり浸透してきたが、アメリカ人に「オレはアメリカンに乗っているぜ!」とそのまま訳して伝えると、「ケンカ売ってんのか?」とか「いやらしい話か?」などと勘違いされることもあるので、海外のライダーと話すときは「クルーザー」という呼称を使いたい。

そしてちなみに、コーヒーのほうの「アメリカン」も日本で誕生した呼び名で、日本以外ではほとんど通じないので注意が必要。こちらは本来、1960年代前後のアメリカでは一般的だった、浅煎り豆で淹れたコーヒーを指す。薄めたコーヒーと勘違いしている人もいるようだが、これは間違いである。ただしこれが「アメリカーノ(Americano)」となると、エスプレッソコーヒーに湯を注いでつくるスタイルとなるので、とてもややこしい。



むし 【ムシ】 たいていのライダーは、愛車のホイールに2匹のムシを飼っている。
バイクやクルマの世界で「ムシ」と言ったら、カメムシでもコガネムシでも既読スルーでもなく、タイヤの空気注入口であるタイヤバルブの中に入っている、バルブコアと呼ばれる小さなパーツのことである。 どうやら形状が似ていることから、「ムシ」というたいしてうれしくない通称を得たようだ。 バルブコアは、タイヤバルブの内部に装着されている精密パーツで、空気注入時には弁が開いて通気ルートを確保。しかし通常時は、弁をしっかり閉じてタイヤ内部の空気を外部へ漏らさない構造となっている。 タイヤの性能を保つために「ムシ」だけど無視できない、重要な存在なのだ。



むだんへんそくき 【無段変速機】 減速比を自動で無段階に変えていくトランスミッションのこと。ライダーに断りなく変速するが、「無断変速機」とは呼ばれない。 スクーターなどに使われる一般的な無段変速機は「CVT(Continuously Variable Transmissionの略)」とも言われ、通常は自動クラッチなどと組み合わせて使われる。
二輪車で一般的な変速方式はVベルト式。基本は、車速により変化する遠心力を利用して、プーリーと呼ばれる装置の外径を変化させることで無段階に変速させる機械式である。しかし近年は、この変速をコンピュータ制御する電子制御CVTを採用した機種もある。
またホンダは2008年に、独創的な油圧機械式無段変速機の「HFT(Human Friendly Transmissionの略)」を搭載したDN-01を発売開始。このHFTは、サイズがマニュアル変速機とほぼ同じで、一般的な機械式CVTよりもダイレクト感などに優れるが、生産コストの問題などから、いまのところDN-01以外の市販車には使われておらず、ホンダはその後、「DCT(Dual Clutch Transmissionの略)」に力を入れている。 そのDCTは、自動変速時も有段。
VFR1200Fに二輪車世界初の機構として採用されたのは、DN-01の新登場からわずか2年後となる2010年のことなので、HFTに見切りをつけるということに関してまさにホンダは勇断をふるったことになる。



そうおんきせい 【騒音規制】 バイクの世界における騒音規制とは、車両を走行した際に発生する騒音について許容限度を定めた法規制のことを指す。近年の日本は、先進国の中で有数の厳しい規制が導入されていたのだが、2014年から測定方法および加速走行騒音の規制値が、欧州(EURO4を導入する国や地域)と共通化され、これまでの定常走行騒音規制が廃止。さらに2016年10月以降の新型車は、日本固有だった近接排気騒音規制も廃止され、EURO4の規制と統一化された。輸入車と継続生産車については、2021年9月から近接排気騒音規制が廃止される。
これと併せて、2016年10月からは新型車、2017年9月からは輸入車と継続生産車の排出ガス規制も、欧州各国が導入しているEURO4と統一化された。近年、これまで海外向けだった機種が日本国内仕様として続々とラインアップされ、なおかつフルパワーの状態で販売されているのは、規制統一によって日本独自の仕様変更をせずに国内仕様化ができるようになったという背景があるのだ。
2016〜2017年の規制変更に関しては、多くの国内仕様車が生産終了となったことから、これを嘆く声も少なくないが、じつは騒音については実質的な規制緩和で、これは喜ばしいところ。しかしあまり「規制緩和だ!」と大声で触れ回っていると、バイクをよからぬ存在と思っている方々にまた目をつけられかねないので、ここは我々ライダーが音量規制しておきたい。



そうだ 【操舵】 「そうだ」は、京都に行く際の重要な枕詞。また、カツオに似た魚類を指すこともある。後者の場合、ソウダガツオと呼ばれることもあり、細かく分類するとヒラソウダとマルソウダがいる。
新鮮なら刺身や焼き魚として食せるが、味は本物のカツオよりも劣り足も早いため、ソウダ節に加工されることが多いそうだ。
ところでバイクの世界でも、ハンドルを切る操作のことを「そうだ」と言う。間違っても京都ツーリングを指す隠語ではなく、漢字で書くと「操舵」。バイクの場合、曲がる方向にハンドルを意識的に切るのは、一般的には極低速走行時だけだが、じつは通常の速度で走行しているときでも、旋回するために車体を傾けると、必ずイン側にハンドルが自然と操舵されているのだそうだ。




なめる 【ナメる】 バイク業界以外でも使われる言葉で、ネジやボルトまたはナットなどの部品を締めたり緩めたりする際に、ネジ山の溝やボルトまたはナットの頭を削ってしまうことを指す。
サイズの合わない工具や精度が低い工具を使用したり、ムリに力を入れすぎたり、工具と部品を密着させる力が弱い状態で回そうとしたときに発生することが多い。
部品の溝や頭をナメてしまった場合にとりあえず緩めるためには、バイスプライヤーなどで部品を挟んで回したり、ポンチなどをネジに当てがって緩む方向にハンマーで叩いたり、プラスネジの場合はマイナスドライバーが引っかかる溝を切るなどの対処法はあるが、ボルトの頭よりも自分の頭を使うことを強いられる上に、ナメてはいけないほど大変な作業になることもあるので注意したい。
なんにせよ、「この間、ネジをナメちゃってさあ……」というのは、ペロペロしたということではないので、「コイツ、鉄分足りないのか?」と思ってはいけない。     



ならしうんてん 【慣らし運転】 奈良の鹿は国の天然記念物に指定されていて、個人が捕まえたり傷つけたりすると、違法行為として5年以下の懲役または30万円以下の罰金を受ける。故意ではない交通事故によって鹿を傷つけたとしても、法的に罰せられることはないのだが、近年は鹿の飛び出しによる交通事故も多いので、奈良市運転には十分注意したい。
また、ライダーなら奈良市での運転と同じく気を遣いたいのが慣らし運転。こちらは、車体の各新品部品がなじむ(あたりが付く)まで、控えめに運転することを指す。とくに慣らしが必要なのが、新車時やオーバーホール直後のエンジン。
現在では、材質の進化や加工技術の進歩、エンジンオイルの高性能化などにより、以前ほど厳密な慣らし運転は必要ないという説もあるが、とはいえ慣らし運転をしたほうが、その後に調子のよい状態をキープできる可能性は高くなる。新車購入時の取扱説明書に指示がある場合は、これに従うのがベスト。
取扱説明書または指示がないときは、公道用二輪車なら500〜1000kmを目安に、ていねいな運転を心がけながら段階的にエンジン回転数の使用上限を高めていきたい。 なお慣らし運転によりパーツがなじんだ結果、エンジンオイルには通常より多く金属粉が混ざることがあるので、慣らし運転終了時にはエンジンオイルとフィルターの交換が必要。

そして一般的には、エンジンだけでなくブレーキやタイヤなども慣らしが必要で、とくにタイヤは、新品の状態だと表面にワックスが付着していて本来のグリップ力を得られないので、徐々にバンク角を増やしながら慣らしていく、「皮むき」という作業が必要となる。