’13年11月のツーリング

悪天候で中止だらけの2013年パワーズツーリング。ようやく11月最終回にお天気に恵まれました。
やっとだよぉ。久々の国府津パーキングの朝。


「ばね指」という腱鞘炎の痛みを押して参加のGSX-R1000嬢。この腱鞘炎の中指は一度手を握ると戻ってこない。自力で開くことができない。
好きで”ぐわしっ” 風になっているわけではない。
ところが他全員はこう言う。クラッチレバー側だからレバーに戻してもらえる。大丈夫だ、乗れる!
安易である。
実際にはレバーの反動程度では戻らず、招きネコの手つきでクラッチを切るらしい。大変な技である。



この高度な技を称えて、ばね指ポーズで集合写真。



さて、今回のメンバーは6名。今年最後なのにちょっと少な目で寂しいじゃんと、悲観することはない。なぜなら筆者一年越しの希望、もはや羨望と呼んでもいい「山中湖のほうとうツーリング」を遂行するチャンスだからである。
2012年10月のツーリングレポートを読んだ方は、あれが単なる「ほうとうダジャレネタ」だと思ったかもしれないが、そうではない。切ない真実だったのです。しかし今回は少人数。反対勢力は少ない方がいい。


結局、パワーズ社長の「ほうとうが食べたいんだろ?」という渋々のフリに、皆が賛成かどうか極めて曖昧なまま、まるで「前からそうと決まってました」かのような自然な流れで、反対を受ける前にほうとうを目指して出発することに成功。


箱根新道、芦ノ湖スカイライン、箱根スカイラインを経て県道401、R138で山中湖へ。









途中、芦ノ湖スカイライン料金所で例の中指が限界に達したため、R1000嬢は途中離脱を申告。”秘技招き猫”の習得は容易なものではない。顔は笑っているが痛みを伴って大変らしい。よくここまで頑張りました。
とはいえ、ただでは返せないので置き土産に男前ポーズをいただきました。どうか早く良くなってくださいね。


コレはパワーズM田のスピードトリプル。このバイクの顔は日頃からこうなっている。時折、来店のお客様に恥ずかしいと笑われたり、格好悪いと全否定されたりしているが、筆者個人的には密かに嫌いではない。しかし世界を敵にまわしてまで擁護する顔ではない。不人気票が多数派になれば、世論と一緒に非難することは言うまでもない。


その後さしたる渋滞もないまま山中湖到着。すぐに現地で情報を取るべく、側近の土産物屋のご主人にお勧めのほうとう店を尋ねた。
ご主人曰く。ほうとうは家庭料理で、おふくろの 味が一番旨いもの。地元の人は外食でほうとうを食べることはめったにないため、お勧めしたいがわからないのです。
なるほど、もっともだ。
とはいえ、「小作さんはいつも混んでるね。」と、ほうとう屋の場所を教えてくださった。






ところが、その小作さん。 これが一歩店内に踏み込むと通勤ラッシュばりの大混雑。
すぐに別の店に移動すると、団体予約のため目の前で打ち切り。
昼時の観光地でほうとうにありつくのが、こんなに困難だとは知らなんだ。 さらに移動した浅間茶屋さんで、ようやくテーブルに座ることができた。そして念願の人生初ほうとう。そう、初めて食べるほーとー。あまりの嬉しさに、「このキノコ松茸かな?」と箸でつまんで 持ち上げたらGSX1100-R氏が優しく微笑んで「エリンギですよ。」って。
彼の一言は、私を三年前のあの日へ連れ戻した…。


あれは三年前の秋、仕事で夜遅く帰宅すると、食卓に母の松茸ご飯が用意されていました。

それは、大胆カットの大振りマツタケがご飯の中で所狭しと乱舞する前代未聞の気前良さで、私は一瞬息をするのを忘れました。恐る恐る口へ運ぶと、芳醇な松茸の香りがいっぱいに広がって、心の底から生きてて良かったと思いました。そして「生きてて良かった」を連呼しながら半泣きでおかわりしました。
この感動の松茸ご飯が、永谷園マツタケのお吸い物で炊かれたエリンギご飯だとわかったのは翌日のことでした。
どうりで、隣で「よかったね。」と言った夫の笑顔がイビツだったわけです。

あれ以来世間が私を見る目は、永谷園で十分な女。ああ、おいし過ぎる永谷園が憎い。

あら、ごめんなさい。湿っぽい話になっちゃったわね。さっ、飲み直しましょ。今夜は帰さないわよ。






そして我々の、あくまでも我々の ほうとうミッションは無事クリアされた。



帰りは、道志みちからR412、厚木を経て県道22号から長後街道へ。道志みちは、渓谷の流れと紅葉が美しかった。 実はこの日、新しく国内販売されたGSR750ABSの試乗車を持ち込んでいた。道志の細かいワインディングも気負うことなく走れる優れた操作性は、とても自由で疲労を感じさせない。また、市街地の走行もスムーズで大変魅力的なモデルでした。
ガソリン燃費は22㎞/1L。

途中、道志みちの終わり辺りのカフェで一服。






厚木で給油して解散となりました。




今年は見事に雨や台風にやられた1年でした。全7回予定していたツーリングに3回しか行けませんでした。
そんな中ご参加いただいた皆様にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。感謝の気持ちとして、心ばかりではございますが、 ご来店の折りに「M田の熱い抱擁3分間」をさしあげております。どうぞお気軽にお申し付けくださいませ。

また、参加を予定していたのに中止になって来れなかった方々には、来年もぜひご参加いただければと存じます。
次第に寒さも厳しくなりますゆえ、どうぞお身体ご自愛くださいますよう。
ばね指も冷やさないように。ここ、大切です。

ではでは、また来年3月から開催のパワーズツーリングでお会いしましょう!