番外編
2020年正月ツーリング
(元旦~2日)
あけましておめでとうございます!
元旦から走り初め。脈々と続くパワーズ正月ツーリングは、令和も宴を目指して走って参ります。
2020年の参加機種バリエーションは、5台の125ccスクーターと、ナラシ中のZX-6R、トリッカー、RV200iの計8台。
近年、富に原付二種が主流の正月ツーリングですが、実はどんな乗り物でも参加OK。車でも電車でも、たとえチャリンコでも、要するに今夜の宴の席に座っておれば良いわけです。
とはいえ、時間/交通費 レシオでは125ccがダントツ有利。移動距離だって、昨年の宿泊地「梅ケ島温泉」で200キロ圏内はイケることを証明しました。しかし、下道一筋の走行疲労により肝心の宴が疎かになったことを受け、今年は120キロ程度の西伊豆戸田に新たなお宿を予約しました。さて、どんな海の幸を堪能できるのか楽しみです。
除夜の鐘で祓いきれなかった煩悩は毎年キャリーオーバーして蓄積されてはおりすが、気持ちも新たに早川のコンビニさんに集合した面々。
筆者の頬をグリグリやってるH田先生はイタルジェットのフォーミュラー125で参加。環境問題や低燃費に背を向ける、男気の2サイクル2気筒には称賛を惜しみませんが、煙いからポジションは最後尾です。
※H田先生は2015年正月に秘技を披露していただいて以来、正月には「先生」と呼ばせていただいております。気になった方はコチラ
間に合わないかと思われたニンジャ250君の到着で、集合写真をもう一枚。
彼は宿泊せずにツーリングにだけ参加するという殊勝な青年。でも、途中から皆が宿へ吸い込まれたら帰り一人で寂しいじゃん?それに、8人もいるから座敷童ばりに1人増えても平気じゃね?と、宿泊をお勧めしましたが、今夜は友達と宴とのこと。それなら帰らないとね。宴は大切ですからね。
ご存知のとおり125ccは自動車専用道路を使えませんが、早川から戸田までのルートは一般道路でも不自由はありません。
R135を熱海まで下り、函南からR136、長岡から県道130、三津で駿河湾に出れば県道17号で戸田まであっという間です。
しかし、熱海梅園からの上りは勾配がキツい。排ガス規制で環境に優しい筆者アドレスV125Sを、規制前のアドレスV125Gが、新型のスウィッシュLTDが、男気のフォーミュラーが追い越して行く。車も次々に追い越して行く。やむを得なく体を前後に揺すって加速を試みた時、背後からトリッカー氏がアドレスのテールボックスをそっと押してくれました。感動のあまり、筆者の2020年の抱負が「慈愛と人道的支援」に決定した瞬間でございました。
元旦は休んでいるガソリンスタンドも多いので、少し早めですが函南で給油します。
スタンドのすぐ先にあるファミレスで人も補給。初めてのお宿で献立もわからないのに、晩ご飯に備えて軽めの補給をしているところに、小市民らしさが溢れていてよろしいかと存じます。
元旦からZX-6Rのナラシの距離を稼ぐT宮くんは生(なま)ロードマップ。頭の中にGoogleマップが入っており、ストリートビューと裏道も網羅しています。おまけに先導してくれるから、ナビも搭載してるんですね。真鶴でヘルメットの曇り止めが突然脱落しても、停車することなくジャケットに収める器用さで群れを導き、有料の伊豆中央道も軽やかにかわすなど至れり尽くせり。かわした原付料金は20円。
海を見晴らす美しい景色と、125でも楽しめるタイトなコーナーが続く県道17号を南下して、大瀬崎に到着しました。
富士山を望む景勝地で、恒例ミッションをポッシブります。ミッション:「モジモジで西暦をこしらえよ!」
いかがでしょう、カラーリングにも配慮した鮮やかな「2020」。
背景にはダイナミックな雲が低く垂れこめ、美しい富士山と青空をお構いなしに隠しております。主要な背景が雲隠れした残念感をものともしないモジモジ!新年の希望と輝きが「ゼロ」の股間から見通せるようでございます。
そして、こちらはシックにまとめた「2020」。精悍さの中にも、ゆるキャラの足みたいなオレンジの長靴が可愛らしさを演出。先頭の「2」はさりげなくお化け柳を表現。随所に盛り込まれる魅力を存分にお楽しみいただければ幸いに存じます。
2020年も見事としか言いようのないミッションクリアの後、大瀬崎を後にします。
そして、ニンジャ250君とはここでお別れ。彼は来た道を戻り、我々は引き続き県道17号を楽しみながら戸田へと向かいます。
今回のお宿は民宿「つるさん」さん。戸田漁港からほど近い所ですから、海鮮に期待せずにはおれませんね。
早々にひと風呂浴びてお食事処に集合すると、テーブルに並べられた海の幸にみんな釘付け。誰もが一日の中で最も真剣な顔をしています。あまりに真剣で、カニ足攻撃にも気付いていません。
鯛とマグロのお刺身。女将さん解説によると特別なビンチョウマグロとのことで、これが中トロで絶品。お鍋はクモエビという深海エビで、出汁がよく出て甘みも上等。さすが駿河湾でございます。
パワーズ社長に新年のご挨拶を依頼すると、「はい!かんぱーい!」って簡単かっ!しかしそれが合図になって一同貪り食います。ほとんどの者が箸を使っていない。甲殻類が食卓にあるときは箸など使っている場合ではない。会話らしいものもない。言う事といえば「旨え~」「やべ~」「コレなんだ?」程度で、概ね原始人です。
瞬く間に船は空になり、鍋に移行する頃、ようやく人間らしさを取り戻します。
人間らしさとは、散々舐めた指で箸を持つことと、空のビール瓶とお銚子を築きながら、宴もたけなわとなることであります。
そこへ揚げたてのサカゴ登場。
サクサクと骨までいただけるので、再び箸を捨て原始人に逆戻りしました。
最後はお鍋をおじやで〆て、大変な満腹による軽い放心状態。ああ~食った食った呑んだ呑んだ。
部屋に戻ると、肩凝りと頭痛を訴えていたM田に、安Z氏がマッサージを施します。
この、「愛の全身マッサージ癒しの60分コース」で安Z氏は汗だくになり、M田はすっかり癒えました。
犯されて捨てられたようなM田を見て、T宮くんは「ボクもマッサージして欲しい!」と、眉を八の字にして頬を膨らませてダダ。
5歳並みのジェラシーで訴えるも、安Z氏の体力が限界だったのでNG。
愛の全身マッサージは、一日お一人様限定でした。
T宮くん、H田先生を見習うのです。座布団一枚でできる自前の癒し、「トドのポーズ」。からの、秘技「鼻チータラ」。格式高い秘技を保持していらっしゃる先生を目の当たりにして、筆者も自己の未熟を覚えずにはおられません。
今回は二部屋に別れておりましたので、平均年齢が高い方のお部屋では、健康問題の話題で盛り上がり、早々に就寝体制に入りました。一方こちらの部屋では、例年のごとくUNOで静かに盛り上がり、元旦の夜は更けてゆきました。
UNOと言えば、H田先生一人負けによる缶コーヒー、まだ頂いておりません。日にちが過ぎますと利息が発生し、缶コーヒーがハーゲンダッツへと変わって参りますのでご注意くださいまし。
翌朝は飯を食ったらとっとと出発です。戸田から県道18号を金冠山へ登り、だるま山高原レストハウスでモーニングコーヒーをいただきます。
このとき駐車場で、筆者アドレスのインナーポケットの中に大量の石ころを発見。昨日モジモジしたときに大瀬崎で入れられたかっ!不覚をとったわ!どうりで走っているときガラガラいうわけです。皆がレストハウスへ行ったのを見計らって、石ころを全部M田スウィッシュのハンドルカバー内へ移動。石ころの画策で忙しかったため、レストハウスの写真がこれ一枚だけになっちゃった。
ハンドルカバーの中身に気付かないM田にほくそえみながら、県道18号を修善寺まで下り、R136で長岡まで来たとき、H田先生のフォーミュラーに不具合発生。1気筒死んで、時速20キロしか出なくなりました。
皆の工具を持ち寄って応急処置を施すも片排のまま。
ヤケになったか、H田先生は拾った細い木の枝をマフラーエンドから突っ込んでスポスポしたことろ、何かがモフッと突き抜けて、フォーミュラーは2気筒に戻りました。
え、ソレ?
ソレで良くなるの?
ソレで良くなったフォーミュラーは、止まることなく函南まで帰還。
フォーミュラーと6Rは函南で給油。他6台はガソリン燃費が1リットル40キロ前後なので、給油なしで帰宅できます。原付二種、侮れません。
渋滞をヌルヌルと回避しながら来宮まで来ました。ここから先は渋滞が予想されるため、ここ来宮駅にて解散となります。
皆さまお疲れ様でした。2020年も無事に遊びからスタートを切ることができました。そもそも遊ぶために働いているワケで、遊びで遊びやってるんじゃないんだよっ!と、大人の理屈をコネながら、カラ元気を絞り出してゆく。今年も一年、そこんとこを全うできるよう全力を注ぎ、様々な意味で皆さまのお役に立てるよう、パワーズ一同精進して参る所存でございます。
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げまする。
<追記>
M田のハンドルカバーに入れたたくさんの石ころは、ちっとばかし速いスウィッシュの速度を低下させることによって、彼の身の安全を図る人道的支援に外ならず、これを慈愛以外の何と呼ぶのか筆者は知りません。にもかかわらず、仕事始め以降も全く石ころのことに言及しないM田に、ニヤニヤしながら「石入ってたろ?」と尋ねたら、他意のない顔で「知らないよ?」だって。えええーーー??!!どこ行ったぁ?オレの慈愛。